研修の方法論について

グループワークが研修形態として有効であることを、講師の役割も含めて具体的にお知らせします。

1. グループワークは、研修のテーマ、目標を参加者に獲得していただくための重要な研修形態です。
参加者のひとりひとりに、積極的に考え、ご自身の考えを公表する機会を与えるので、個性的に消極的な方にも大きな達成感を与えることが出来ます。
研修参加者のみなさんが、常に当事者意識を持てるという意味で、所謂「お客さん」状態になる人をつくりません。

2. 各グループは、参加人数によりますが、最低3人から、最大5人程度を基本的な考え方とします。
参加人数によって、グループの人数は調整しますが、基本的に奇数の参加者人数として、グループを構成します。
偶数グループですと、最低二人の間で閉じた関係性が出来上がってしまい、広がりを失ってしまう可能性があり、グループワークのテーマを話し合っていただく際に、討議の広がりを期待出来ないことがあります。

3. 明確なテーマを与えてグループ討議をしていただきます。
また、グループ構成後は、各グループ内の話し合いによって、発表者を決めていただきます。
時間を区切って、各グループの討議内容を、立候補及び推薦によって決められた発表者に発表内容を整理した上で、発表していただきます。
講師は、整理された発表内容をホワイトボードに書き込み、参加者全員で共有出来るようにします。
そして、共通点をまとめて、簡単な講評と、さらに討議を深めるために、第1回目に出た発表内容を次の討議に繋がるテーマとして、絞り込み、そのテーマをさらに討議内容として、各グループに与えます。

4. この活動は一つのテーマで、多くて4回まで。
ほぼ3回で、ある程度の研修目的に沿った内容に到らせます。
このようにして、参加者のみなさんに講習の獲得目標を認識していただくのです。
講師は参加者が話し合う間、各グループの間を巡回しながら、発表の時期を計ります。
また、参加者が獲得目標と外れた討議をしているようなら、途中でグループ討議を中断し、講師の方から目標に到るヒントを出して、再び獲得目標に沿った討議にもどします。
ただし、この際講師は討議内容の否定は致しません。あくまで、すばらしい討議をしていることを評価した上で、指示を与えます。 討議中は、講師はこの役割を背負って常に巡回を欠かしません。

5. グループ討議をしていただく最大のメリットは、日常業務の具体的な問題が絡んだ討議になるということです。
これは、講義形式の研修では期待出来ないことですし、また、同時に、このような具体性の中から、今後の改善点が参加者のアイディアの中から汲み取れるという大きな利点があります。
当社は、このような獲得目標と、特に参加者の日常業務に根ざした討議をしていただくことで、日常業務の改善は勿論のこと、参加者の当事者意識を芽生えさせることが出来ると確信しております。


当社がグループワークを重要な研修の方法論として位置づけている理由について。

1. 当社は、どのような業種のお客さまのご要望にもお応え致します。
研修ツールのサンプルをホームページ内に掲載させていただきますが、これはあくまで、サンプルのひとつであって、どのような研修のお申し出に対しても御社独自の研修ツールを独自にご相談の上、お創り致します。

2. 繰り返しになりますが、当社の人材育成研修ツールは、お客さまのご要望を十分にヒアリングした上で、個別にお創りします。
当社はあくまでオーダーメイド方式にこだわります。
その理由は、お客さまである企業さまが置かれたバックグラウンドを理解しないままで研修を行っても、その後の効果は殆ど期待出来ないと考えるからです。
その意味で、汎用教材の限界性があると思います。
当社がお客さまのご要望をしっかりと踏まえた原案素材をお創りし、御社社員教育担当責任者の方と綿密な打ち合わせを行って、修正すべきところはご要望を踏まえて修正し、ご満足いただける研修ツールを使って研修にあたります。

3. 当社の人材教育の理念は、すでに当社HP上のTOPページに明記しておりますが、
当社が考える「ひとを育てる」という意味は、当社の研修を通して社員さんの潜在能力を引き出し、
それを高め、社員さんにご自身の実像を理解していただき、企業人としてのプライドを持っていただくことなのです。

4. さらに云うなら当社が「ひとを育てる」ことにこだわるのは、研修を通して社員さんの、人間としての存在価値を認識していただくことをモットーにしているからです。

5. 1-4を到達点と定める限り、講義形式だけの、一方向の研修形態では不十分な結果しか期待出来ません。
当社は企業さまのご希望と、当社の「ひとを育てる」ための方法論とを融合させ、研修受講者である社員さんの誰ひとり傍観者には致しません。
あくまで全員参加型の研修を目指します。

6. そのために、当社はグループワークを中心とした参加型の研修を重要視するのです。
研修内容に応じた必要不可欠な要素を組み入れたワークシートをお創りし、研修に参加したことによって、社員さんに日常業務の必要性とその向上の意義を理解し、実践していただくことを目指します。

7. また、研修後には、社員さんたちが、ご自身の日常業務の向上のための独自の創意工夫を加えられるところまでを当社の企業研修の目的と致します。

用例:グループワーキングの留意点について

1. 奇数数(お気に入りのペアをつくって議論への積極的参加を阻む可能性があるので、偶数数は可能な限り避けるのです)でつくった討議グループにおける発表者(リーダー)は、講師の側からの投げかけとしては、基本的に立候補制であることを明確に受講者に伝えます。立候補者が出ないグループがあれば、そのときはグループ内の推薦制とします。

2. 参加者全員に、発言者の発言内容の大切なところを積極的に汲み取るための、メモを用意する旨伝えます。そして、その際、気をつけるべきは、すべての発言を書きとろうと努力する参加者もいますので、それを許してしまうと、自分の考えをまとめる余力を失うのは必然ですので、そのようなメモのとり方はさせないように指導致します。あくまで要点を汲み取ることを目標とする旨、明確に参加者に伝えるのが、当社の考えるグループワークの基本的あり方です。他の発言者の要旨をメモさせることで、ご自身の発言内容を整理し、深めることに繋がりますので、メモ書きはたいへん有用な手段であることを認識していただくのです。

3. 言語習得においては、まずペアワーク⇒グループワーク⇒グループメンバーの入れ替えを基調とすることが多いのですが、それは、言語学習においては、出来るだけ異なったメンバーと対話させることが有効な要素だと考えられているからです。当然のことですが、企業研修におけるグループワークのありかたは、言語習得のそれとは趣を異にします。企業研修においては、グループの入れ替えは、時間を浪費させるだけであり、入れ替えるだけの意味がないだけでなく、議論を薄め、獲得事項を拡散させる可能性が高いのです。また、ペアワークは、閉じた議論の基調をつくってしまう確率が高く、企業研修におけるグループワークの場合は避けるべきでことなのです。このような視点をしっかりと認識すれば、企業研修におけるice-breakingはあくまでグループワークの形態でなし得ることが望ましいと考えます。